人、ひと

 仕事に限らずいろいろな場で人と出会ったり電話で話したりし、そのたび感銘を受けたり、やりきれない思いをしたり、我が振りを直したりと影響を受けることがしばしば。この一週間も思うことは多かった。

 夢創館のコンサートにおいでくださった赤木りえさんと国府弘子さんは、おふたりともとびきりの美人。出迎えた女性の私がほよと見とれてしまうほど だ。ミュージシャンとして評価が高く、国内外を飛び回り、人柄は大らか。さらに周囲の配慮を受け止め、それに自然体でこたえられる気配りをお持ち。すご い。すてき。至らない我が身を振り返り、しみじみ、こんな女性になりたいと思わせられた。ああ、我を磨かなくちゃ!

 力のある人ほど腰が低く、相手を人として尊重した対応をなさるのは本当だ。新しく恵庭に進出される最先端企業の社長さんもそう。拙い問いにしっかり目を見て丁寧にお答えになり、しかも温かい。感銘を受けた。

 別の日。身近な映画館に電話で問い合わせ。本題はある機関紙に紹介する映画の写真を使わせていただければというお願いであった。

 「当館の名前を載せるんですか。」

 「そのつもりです。読者に近くの映画館で上映しているのをお知らせする方がいいですよね。」

 「当館の名前を載せたいのなら、先に連絡してしかるべきではないですか。」

 ん? 載せたい? 先に? しかるべき? どんな相手もお客の可能性があるサービス業従事者の『しかるべき』は、初めて聞いた。やりきれない気持ちで早々に電話を切り上げた。

 映画の宣伝用写真は、配給会社が次の日すぐ届けてくれた。映画コラムには、道央の上映館名をぜんぶ並べて、載せることにしたのである。

佐山さつき